産業廃棄物処理施設を設置する際に必要となる、
「生活環境影響調査(通称:ミニアセス、環境アセス)」ですが、
良く聞く、「環境アセスメント」とは何が違うのでしょうか。

実は、世間でよく聞く、環境アセスメントとは、「本格的な環境アセスメント」のことで、
正式には、環境影響評価と呼ばれます。

産業廃棄物処理施設設置の際に言われる環境アセスメントは、その規模によって、
本格的な環境アセスメント(環境影響評価)と、
簡易な環境アセスメント(生活影響調査)のどちらを指すかが変わってきます。

環境アセスメントとは_02

環境アセスメントは、1997年に制定された環境影響評価法で、
工事規模などに応じて、事業者に実施が義務づけられている調査です。

具体的には、規模が大きく環境に著しい影響を及ぼすおそれがある下記13の事業を行う際、
事業実施前に、その事業の影響についての調査の実施が義務付けられています。

  • 道路
  • 河川
  • 鉄道飛行場
  • 発電所
  • 廃棄物最終処分場
  • 公有水面の埋立及び干拓
  • 土地区画整理事業
  • 新住宅市街地開発事業
  • 工業団地造成事業
  • 新都市基盤整備事業
  • 流通業務団地造成事業等

 環境アセスメントの対象となる事業の詳細はこちら ->>

産業廃棄物最終処分場の設置は、上記の通り、
本格的な環境アセスメント(環境影響評価調査)が必要※ですが、
中間処理施設など、規模が小さいものについては、
環境影響評価の対象となっていません。

但し、その規模は大きくないものの、周辺住民への生活環境に少なからず影響の与える事業ということで、
別の法律(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)で、生活環境調査を実施するように義務付けられています。

道路や鉄道ができる場合、その範囲は広大となるため、大規模な調査が求められ、
それらが問題ない範囲と判断されなければ、
いくら、道路を作りたい、鉄道をつくらなければ、と考えても工事着工が出来ません。

産業廃棄物処理施設も、同様で、いくらその地に必要だと考えても、
周辺住民、周辺環境に影響がないかどうか、影響が出ないようにどのような対策をするのか、
といった調査、評価、計画がたてられなければ、施設を設置できないということです。

影響範囲は、広くないとはいえ、地域住民にとっては重要なことなので、
しっかりと、必要な調査は行われているということですね。

※処分場のサイズが大きくない場合などは環境アセスメントが不要の場合も有ります。
環境アセスメントの対象となる事業の詳細はこちら ->>

※環境影響評価(環境アセスメント)とは、

交通の便をよくするために道路や空港を作ること、水を利用するためにダムを作ること、
生活に必要な電気を得るために発電所を作ること、
これらはいずれも人が豊かな暮らしをするためには必要なことですが、
いくら必要な開発事業であっても環境に悪影響を与えてよいはずはありません。

開発事業による重大な環境影響を防止するためには、事業の内容を決めるに当たって、
事業の必要性や採算性だけでなく、環境の保全についてもあらかじめよく考えていくことが重要となります。
このような考え方から生まれたのが、環境アセスメント(環境影響評価)制度です。
環境アセスメントとは、開発事業の内容を決めるに当たって、それが環境にどのような影響を及ぼすかについて、あらかじめ事業者自らが調査、予測、評価を行い、その結果を公表して一般の方々、地方公共団体などから意見を聴き、
それらを踏まえて環境の保全の観点からよりよい事業計画を作り上げていこうという制度です。

環境アセスメントガイド より